Jimenezさんインタビュー
東北大学に短期研修員としてDHNから来られているCesar Jimenezさんに,7月16日に研修を終えて帰国されるにあたりインタビューを行いました.
質問1.ペルーについて少し,皆さんに紹介してください.
ペルーは南米に位置する国で,首都はリマです.年中温暖な気候で,冬は15°C,夏は28°C程度と非常にすごしやすい気候です.
アメリカ大陸でもっとも歴史ある大学がペルーにはあり,サンマルコス大学は1551年にスペイン人の手によって創立されました.
またペルー南部にはクスコ市があり,マチュピチュなどに代表される多くの遺跡があり,現代でも神秘的なぞに包まれています.
ペルー料理は世界的にも美味しい料理に数えられ,鮮魚にレモン,オニオン,薬味を和えた「チェビチェ」は絶品です.
質問2.ペルーではどういうお仕事をされていたのでしょうか?
ペルー海軍所属のペルー津波警報センターで働いていました.またペルー帰国後も,そこで働く予定です.
ペルーは環太平洋火山帯に位置し,2007年ピスコ地震,2001年カマナ地震,1996年チンボテ地震,また1746年のカジャオでの地震など,幾度となく地震・津波を経験しています.
したがい,私の仕事はペルー社会にとり,非常に責任のある仕事といえます.
またサンマルコス大学の理学部で非常勤の助教をしており,地球物理学やdigital signal processingを教えています.
質問3.東北大学でどのようなことを勉強されてたのでしょうか?
東北大学津波研究所では,津波の数値シミュレーションと津波波形からの震源インバージョン解析を学んでいました.
また1746年カジャオ津波が,今日のカジャオ,リマにどのような影響を与えるか研究していました.
将来は,ペルー沿岸部全地域で個別の津波シミュレーションカタログを作成する予定です.この作業は津波警報システムにとって非常に有効だと思われます.
質問4.今回の東北地震での経験を少しお教えください.
地震発生の1週間前,私は地震津波に関し,東京での国際学会と千葉大学での国際ワークショップに参加するため,関東地方を訪問していました.
そして地震のあった3月11日,港湾空港技術研究所の津波施設を見学した後,ペルー及び日本の方々とちょうど鎌倉にいました.
ロッキングの様な長い揺れでしたので,東京から離れた場所で地震があったのではないがと想像しましたが,数分後震源が仙台付近だというニュースを見て,大変驚きました.
その夜は,ペルーから東北大学に留学している友達と,また同じような境遇の一般の帰宅困難者の方々と共に,東京のホテルのロビーで寝ました.
全ての交通網が寸断していたので,翌日ペルーの友達と共に,メキシコ人,日本人の友達の力を借りながら筑波に到着しました.
その後,10日間筑波に滞在したのち,仙台へと向かいました.
この経験は,将来忘れることはないでしょうし,日本の皆さんが多くの困難に立ち向かっていることを知っております.
質問5.ペルーに帰国したら,まず何をしたいですか?
ペルーに帰ると,家族と共に時間を過ごしたいですね.妻に愛しているよと伝え,私が帰国する頃にちょうど生まれてくる娘を抱きたいですね.そして5歳になる息子と遊ぶ時間を作りたいです.
また仕事に関しては,日本の研修で学んだ事を,ペルーで適用していきたいと思います.またサンマルコス大学で津波に関する修士論文を書き上げたいと思います.
質問6.仙台で特に気に入った場所・食べ物はありますか?
私はすし,カツカレー,ラーメンなど日本食が大好きです.仙台近郊の松島もいいところでした.仙台城も青葉山と近く,仙台藩主として知られる,モダンな馬に乗る政宗像があります.
質問7.何かペルーの人たちに,日本について伝えたいことはありますか?
私はペルーの人々に,日本は秩序があり,教養のある社会だと伝えたいです.私の知る限り日本人は最も正直な人達で,犯罪率は低いですし,観光をするには非常にいい所だと思います.
写真1. 東北大学川内キャンパスにて | 写真2. 仙台空港付近津波被害調査 |
写真3. 南三陸町津波被害調査 | 写真4. 女川町津波被害調査 |